わたらせ渓谷鐵道では、開業当初に建設された鉄道施設が数多く現役で活躍しています。
その文化的価値が認められ、駅舎や橋梁・トンネルなど、38の鉄道施設が登録有形文化財となりました。
2つの県にまたがる全線に及ぶ鉄道施設の登録は、全国でも初めてです。
わたらせ渓谷鐵道の長い歴史を見守ってきた鉄道施設は、列車からすべて見ることができます。
列車に揺られながら、ふるさとの郷愁「ノスタルジア」を感じてみてください。
大間々〜上神梅駅間で見られます!
全長27m、内部は馬蹄形で煉瓦造り。建造当初の姿を最もよく残したトンネルです。
このトンネルが造られた地域は、急な崖が渡良瀬川に迫るところで、銅山街道でも「七曲り」と呼ばれる難所でした。
沢入駅で見られます!
間藤方面行きのプラットホームです。
全長99m、擁壁は不定形の割石積み。
待合所は「2号」となっていますが、上り線ホームのものより前に建てられたものです。
通洞〜足尾駅間で見られます!
全長14m、上路式プレートガーダー形式の橋です。
足尾銅山の発見と開発はこの橋の上流から始まったといわれており、銅山とともに盛衰を繰り返したまちを大正以降見守り続けてきた橋です。
足尾駅で見られます!
足尾駅上り線プラットホーム南端にある、赤煉瓦で造られた建物です。
ごく小規模な建物ですが、正面にアーチ型の出入口を、右側面に小さなアーチ窓を設けている華やかなデザインとなっています。
2016年(平成28年)、わたらせ渓谷鐵道関連施設群が土木学会選奨土木遺産に認定されました。 近代日本の産銅輸送の根幹を担った足尾鐵道草創期の息吹と情趣を伝える施設群で、地域コミュニティーの要として継承される土木遺産です。
原向〜通洞駅間で見られます!
渡良瀬川を横断する橋で、全長95m、細長い鋼材を三角形につなぐプラットトラス形式です。
旧足尾鉄道として建設された橋の中では、最も長い橋です。
足尾〜間藤駅間で見られます!
全長56m、上路式プレートガーダー形式の橋です。
橋桁を支える橋脚は、今から100年以上前にイギリスの会社で使用されていたものを転用したもので、全国的に見ても残存事例の少ない橋です。